インタビュー

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「患者さまが望んでいることはなにか」を考えながら診療しています。

クリニックは大きな病院と違って、手術や精密検査など、できることは限られてきます。
しかしだからこそ「来院して下さった患者さまにできる限りのことは行いたい」と思いながら日々診療をおこなっています。患者さん自身が納得して治療を行えるように、寄り添って診療をしていきます。

なぜ循環器の医師になったのですか

学生時代に、先輩となる循環器の医師と出会ったことがきっかけの一つです。当時は、カテーテルという心臓の検査・治療が行われ始めた時期。内科の領域にありながら、外科的なカテーテル治療に取り組むその姿は、当時の私にとって憧れの存在でした。

その後、私自身も循環器内科の医師として不整脈のチームに属し、カテーテルアブレーション治療などさまざまな経験を積みました。その時代の臨床経験が、現在の病診連携で提供するカテーテル治療や、早い段階で病気を診断する技術に生かされていると思います

診療の際に心がけていることはなんですか

患者さまが、ご自身の病気をどのくらい知っているか確認し、病状を理解いただくことです。ご高齢の患者さまは、脂質異常症、高血圧、糖尿病といった生活習慣病など基礎疾患をお持ちの方が大半です。これらの病気は初期では自覚症状がないので、患者さまの意識を高められるかどうかが治療の鍵となります。

そこで、「この薬がいいよ」と伝えるのではなく、「なぜこの薬がいいのか」を理解していただくことに注力します。限られた診察時間の中でどのように説明すれば伝わるか、常に心を配っていますね。

説明はどのように工夫していますか

患者さまの診療ニーズはさまざまです。お薬で効率よくコントロールしたい方もいれば、時間をかけてもしっかり納得した上で治療に入りたい方もおられます。すべての方に同じ説明のスタイルではご負担に感じる方も出てくるかと思いますので、ご意向を察知して、お一人おひとりに合わせた診療を心がけています。

また、自覚症状のない病気は視覚的に説明するよう工夫します。例えば、脂質異常症の説明で使うのは、血しょう(血液における、赤血球や白血球など以外の液体成分)の模型。いわゆる 「ドロドロの血液」が言葉で伝えるよりイメージできるので、患者さまに応じてご覧いただいています。

話しやすい雰囲気づくりで行っていることがありますか

硬い表情ではなく、笑顔で接することだけはいつも心に留めています。診察前は誰もが緊張しますし、説明に苦手意識のある方もいらっしゃいます。なので、なるべく話しやすい雰囲気や体勢づくりに心を配るようにしていますね。

例えば、患者さまの訴えを聞きながら、こちらからも予想できる症状を挙げるなど、会話のキャッチボールに努め、自然なコミュニケーションの中で患者さまを理解したいと思っています。

CTなど医療機器を多数そろえているのですね

エコー(心・腹・胸・頚動脈)、マルチスライスCT、ホルター心電図、血圧脈波測定装置 、レントゲン、デジタル画像診断システム、血液検査機器などを導入しています。

精密な検査が出来るCTなどを導入したのは、当院に来てくださる患者さまを、できる限り詳しく診たいと思ったからです。例えば「お腹が痛い」といった急性症状を訴える患者さまを、少し診ただけですぐに病院に紹介するのではなく、ある程度のスクリーニング検査はできるようにしたいと考えました。

とても居心地のよい院内ですが工夫はされていますか

開院して10年以上になりますが、スタッフが清潔さを保つ努力をしてくれるので、とても感謝しています。またアロママッサージなどの仕事をする私の妻が、アロマの香りやハーバリウムという植物標本を用いて、一生懸命安らぎのある空間をつくろうと工夫しています。院内について気づいたことがあれば、何でもスタッフまでお声がけいただけると嬉しいです。

力を入れていきたい病気はありますか

勤務医時代に不整脈治療に専念していたこともあり、不整脈の診療には力を入れたいですね。不整脈のカテーテルアブレーション治療は一般的になりつつありますし、病院との連携により当院でもご案内が可能です。基本は当院で診療し、外科的治療が必要となれば病院にお願いして、術後のアフターフォローは当院で担当するという流れです。

糖尿病の検査や、初期治療もご相談ください。糖尿病のお薬は年々進化しており、初期に治療を開始するほど、予後が良いという傾向があります。早い段階で病気のサインを拾い上げ、しかるべき治療をご提案してお役に立てればと考えております。